日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから: 「新女王、大坂なおみの孤独」(la soledad de la nueva Reyna Naomi Osaka)

バルセロナから: 「新女王、大坂なおみの孤独」(la soledad de la nueva Reyna Naomi Osaka)


テニスの新女王となった大坂なおみ選手が全豪オープンの後の試合の初回で惨敗した。

私はその試合を見て、なぜかアラン・シリトー(Alan Sillitoe)の小説(Novela)『長距離走者の孤独』(La Soledad del Corredor de Largas Distancias)を思い起こした。

新女王となった大坂なおみ選手には金や権益の匂いを嗅ぎつけて、さまざまな"大人"たちが近づいてきただろうことは想像に難くない。

惨敗が決まった試合直後の彼女の表情に、私は、ある種「してやったり」という言葉を読んだ。それはあの小説『長距離走者の孤独』の中で主人公が優勝目前のマラソン大会であえて立ち止まり周囲の"大人"たちの期待を見事に裏切ったシーンを思い起こしたからである。

小説の主人公の「やつらに見せつけてやるんだ。誠実とはどういうことかを。」という思いを、大坂なおみ選手はこの試合で、やってみせた…。そんな気がした。

彼女が記者団を前に語った「成功よりも自分の幸福感の方が大事」という言葉を思うと、新女王となった彼女に近づいてくる"大人"たちへの小気味良いほどの「返答」が具現された、という推測があながち外れているとは言い切れまい。

この"大人"たちへの「返答」をやってのけた大坂選手は、周囲の心配をよそに、次の大きな大会では見事な女王ぶりを発揮して、情けない"大人"たちへ

「誠実とはどういうことか」を見せつけてくれるだろう。

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