日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2017年9月10日): ススル文化とススラナイ文化(2)「鼻水」の巻

バルセロナから(2017年9月10日): ススル文化とススラナイ文化(2)「鼻水」の巻 以前、ラーメンなどをススル文化とその音を苦手とするススラナイ文化について述べたが、今回は人前で「鼻水」をススルか鼻をかむか、の文化の違いに触れたい。  席を外せない会議などで鼻水が出そうになったら日本人はたいていまずススルがスペイン人は迷わずすぐに鼻をかむ。鼻をかむのでも日本人ならひっそりと音を立てないように…

バルセロナから(2017年9月4日): 廃ビルに描かれた巨大な落書きにスペインの芸術魂を愉しむ

バルセロナから(2017年9月4日): 廃ビルに描かれた巨大な落書きにスペインの芸術魂を愉しむ 廃ビルに描かれた見事なストリートアート。ファンタジーの世界をビル全体を使って繰り広げている。今夏の欧州の旅でイタリアの都市でも多くのストリートアート、グラフィティを見て来たが、スペインのグラフィティのほうが芸術性が高いと観た。 この日はこの巨大な落書きにカメラのシャッターを押した瞬間、ススーと自転車が…

バルセロナ(2017年9月3日): 地中海のうねりを表す世界遺産カサ・ミラの屋上にはローマ兵が待ち構えていた

バルセロナ(2017年9月3日): 地中海のうねりを表す世界遺産カサ・ミラの屋上にはローマ兵が待ち構えていた 屋上に上がると波のようにうねっている床、その上に散りばめられたオブジェの中にはキリスト生誕の際に聖書に登場する兜姿のローマ兵も迎えてくれた。 これらは芸術作品であるだけでなく煙突や換気口としての役割を果たしているのである。 パセオ・デ・グラシア通りとプロベンサ通りの交わる北西の角に波打つ…

バルセロナから(2017年9月2日): バルセロナの胃袋「ボケリア」市場のカラフル菓子売り場に見入る

バルセロナから(2017年9月2日): バルセロナの胃袋「ボケリア」市場のカラフル菓子売り場に見入る 観光客たちが盛んにカメラのシャッターを切る。うわぁ、スペイン色と言っていい派手な原色を使った砂糖菓子の華やかな競演。よく見ると目玉焼きやヘビを模したもの、野菜を思わせる菓子もある。 バルセロナの胃袋サン・ジョセップ市場、通称ボケリアの正面入口から入るとまず左に色とりどりの新鮮ながフルーツ売場、右…

バルセロナから(2017年9月1日): 日本語授業が「人生の悦び」に昇格か 

バルセロナから(2017年9月1日): 日本語授業が「人生の悦び」に昇格か   新学期が始まって2日目の日本語授業を終えて、やっぱり授業はいいなあ、と思わず口から出る。今日の授業はレベル3のクラスで夏休み報告の作文を観ることから始めた。 良い文章を書いてきた学生には二重丸の花丸に日の丸まで立ててやった。もういい大人の学生たちだが、満面の笑みで喜ぶ。私もスペイン語修行時代は自分よりかなり年下の女性…

バルセロナから(2017年8月31日): 世界一安全な「悦びの遊歩道ランブラス通り」が戻って来た

バルセロナから(2017年8月31日): 世界一安全な「悦びの遊歩道ランブラス通り」が戻って来た 夏休み明け最初の日本語授業を終えて、ついこの間世界を震撼させたこの遊歩道をゆっくりと歩いてみた。 バルセロナのランブラス通りは今世界で一番安全だ。ああいう事件が起きたばかりでここでは厳重な警戒網が敷かれ、続けて大きな事件が起こる空気は感じられない。 先週の金曜日にこの現場で追悼集会が行われ通りに溢れ…

バルセロナから(2017年8月30日): 去り行く2カ月の夏休みに名残を惜しむ

バルセロナから(2017年8月30日): 去り行く2カ月の夏休みに名残を惜しむ  ほぼ2ヶ月の夏休みも今日で終了。明日から日本語クラスの新学期。2ヶ月と言えどアッと言う間だった。 7月は29年振りに巡る東欧を中心としたヨーロッパの旅に当てた。バルセロナに帰って来て8月は『日本語のエッセンス』の英語版の準備に取り掛かったが、エンジン全開とはいかない。 やはり、ほとんど毎日国境を越える強行軍の旅で相…

バルセロナから(2017年8月29日): 夕陽射し込むカサ・バトリョのバルコニーを見上げ妄想す

バルセロナから(2017年8月29日): 夕陽射し込むカサ・バトリョのバルコニーを見上げ妄想す  ディアゴナル(斜め)大通りからパセオ・デ・グラシア(優雅な散歩道)に足を運ぶと間もなく左にカサ・ミラが地中海の波を思わせる印象的な姿を見せる。 さらに歩を進めると今度は右側に巨大な昆虫の目を彷彿とさせるバルコニーが特徴的なカサ・バトリョが独特な世界観で迫ってくる。 相変わらず強い陽射しが照りつけるバ…

バルセロナから(2017年8月28日):グエル邸の幻想的世界に佇む

バルセロナから(2017年8月28日):グエル邸の幻想的世界に佇む  ランブラス通りからノウ・デ・ラランブラ小径に入ってすぐ左にグエル邸が建っている。ガウディの世界遺産の一つである。グエルさんはあのグエル公園の依頼主である。 ガウディ初期の傑作と言われるこの邸宅には地下の馬小屋から屋上のオブジェまで見どころが満載だが、光と影を巧みに活かした小さな礼拝堂は特に幻想的な世界を醸し出している。 影絵の…

バルセロナから(2017年8月27日): サグラダ・ファミリアの尖塔から魅惑の都市バルセロナを堪能する

バルセロナから(2017年8月27日): サグラダ・ファミリアの尖塔から魅惑の都市バルセロナを堪能する 久しぶりにサグラダ・ファミリアの尖塔の上からバルセロナの街を見下ろしてみた。 すぐ足下にガウディ広場があり、木々の深緑の中に赤茶の底の池が見える。 その向こうのレパント通りに建つアパートからはまさに絶景の「生誕のファサード」が望める。現在ここの一部は高額の貸しアパート屋になっている。 左に目を…

バルセロナから(2017年8月26日): ススル文化とススラナイ文化を想う

バルセロナから(2017年8月26日): ススル文化とススラナイ文化を想う  ズズー、ズズー。ラーメンやウドン、ソバなど麺類を食べるとき日本人は美味しそうな音を立てて食べる。だがこのススル音が苦手な外国人も多い。とりわけ欧米人は幼い頃から、食事のときは音を立てちゃダメ、と言われて育っているから無理もない。ススル文化とススラナイ文化。私は今ススラナイ文化に居る。  昨日ラーメンの話をして、ふと思い…

バルセロナから(2017年8月25日): ウィーンまで来てラーメンに舌鼓を打つ

バルセロナから(2017年8月25日): ウィーンまで来てラーメンに舌鼓を打つ この夏の欧州の旅で久しぶりにラーメンを食べた。特にラーメンが好きと言うわけでもないが、ハンガリーからオーストリア、ウィーンに入った際、適当なレストランを探していたら、うまい具合にアジア料理店があった。 旅の疲れもあってちょっとご飯物を食べたくなった。ところがメニューを見るとラーメンとあるのに目が留って、久し振りに、と…

バルセロナから(2017年9月11日):黄金地に4本の赤線のケーキを見てカタルーニャ独立運動を思い起こす

バルセロナから(2017年9月11日):黄金地に4本の赤線のケーキを見てカタルーニャ独立運動を思い起こす 今日の散歩ではケーキ屋を覗いて、ああ、そうか、と9月のあの祝日を思い出した。 バルセロナは珍しく雨。傘を片手に家を出て坂道を上って行くと、大通りに行き着く手前にケーキ屋がある。ショーウィンドウに並べられているケーキの中でひときわ目についたのが黃色と赤の配色が目立つ二つのケーキである。  写真…

バルセロナから(2017年9月8日) : 平穏を取り戻したランブラス通りの守護神マリア像を見上げる

バルセロナから(2017年9月8日) : 平穏を取り戻したランブラス通りの守護神マリア像を見上げる 日本語クラス授業を終えて、あの事件を微塵も感じさせない以前の平穏さを取り戻したランブラス通りにゆっくりと歩を進める。人波をかわして暫くいつものように心楽しく歩いて行く。 ふと何気なく斜め上を見上げると、ホテルの3階辺りの壁に幼子イエスを抱いたマリア像が視界に入って来た。この地域の守り神だろうか。そ…

バルセロナから(2017年9月7日) : 世界遺産サンパウ病院の時計塔を指でつまんで?遊ぶ

バルセロナから(2017年9月7日) : 世界遺産サンパウ病院の時計塔を指でつまんで?遊ぶ 時計塔の部分をちょっと指でつまんで?遊んでみた。 サグラダファミリアからレストランのテラス席が並ぶ遊歩道ガウディ通りを北へ10分ほど上って行くと通りの端に行き当たり、大通りを挟んだ向こう側にこの建築物が両翼を広げて聳えている。 ガウディの師でもありライバルでもあった建築家モンタネールが設計したサンパウ病院…

バルセロナから(2017年9月6日) : いつもの散歩道でサクラ吹雪?のシャツの日本人と出逢う

バルセロナから(2017年9月6日) : いつもの散歩道でサクラ吹雪?のシャツの日本人と出逢う 初秋の風が心地良くなった昼下がり、いつものようにサグラダファミリアの周りを散歩していると、自転車を引いている日本人に出逢った。 その着ているシャツの派手な桜の柄が日本男児の意気を表していた。  聞くところ、これからパンプローナへ行き、自転車でサンティアゴ巡礼路を走ると言う。初対面ながら、私が4度の巡礼…

バルセロナから(2017年9月5日):あと9年で完成させると言うサグラダファミリアの建設は急ピッチ

バルセロナから(2017年9月5日):あと9年で完成させると言うサグラダファミリアの建設は急ピッチ  サグラダ・ファミリアの建設が急ピッチだ。あと9年で完成を目指していると言う。アスタマニャーナ(また明日→明日があるさ)の楽天主義が信条のスペインジョークで、まさか?と思っていたが、どうやら本気らしい。 この夏の旅で一ヶ月間この教会を見ていなかったので建設の進捗ぶりに目を見張った。この写真の左に見…

バルセロナから(2017年9月4日): 廃ビルに描かれた巨大な落書きにスペインの芸術魂を愉しむ

バルセロナから(2017年9月4日): 廃ビルに描かれた巨大な落書きにスペインの芸術魂を愉しむ 廃ビルに描かれた見事なストリートアート。ファンタジーの世界をビル全体を使って繰り広げている。今夏の欧州の旅でイタリアの都市でも多くのストリートアート、グラフィティを見て来たが、スペインのグラフィティのほうが芸術性が高いと観た。この日はこの巨大な落書きにカメラのシャッターを押した瞬間、ススーと自転車が通…

バルセロナから(2017年8月24日):ほっぺたをくっつけ合うスペインの挨拶

バルセロナから(2017年8月24日):ほっぺたをくっつけ合うスペインの挨拶 スペインの挨拶は、男女によってちょっと違う。  男性同士はふつう握手で済ませるが、久し振りの再会や別れの挨拶では抱き合ってお互いの背中を2, 3回軽く叩く。  女性は相手が女性でも男性でも、頬を右左の順にくっつけ合う。 これは挨拶のBeso、つまりキスをするとも言うから、このとき唇は相手の頬に触れないように軽く音だけチ…