バルセロナから(2018年2月20日<その2>) : 「同じい本」「同じの本」「同じな本」? (考察1)
バルセロナから(2018年2月20日<その2>) : 「同じい本」「同じの本」「同じな本」? (考察1)
前回、動詞「違う」を「ちがくて」と形容詞のように使う日本人を取り上げたが、その「違う」の反対語が「同じ」という“特異な言葉”である。なぜ“特異”かと言うと、活用させてみると分かる。 「同じ」と同様に「じ」で終わる形容詞(文語)「すさまじ」は口語終止形では「すさまじい」となるが、「同じ」は「同じい」とならない。そればかりか形容詞として活用させると、次のようにことごとく裏切られる。 「すさまじいだろう/同じいだろう☓」
「すさまじくない/同じくない☓」
「すさまじかった/同じかった☓」
「すさまじい本」「同じい本☓」
「すさまじければ」「同じければ☓」 では「同じ」は形容動詞(日本語教育ではナ形容詞)なのか?ところが、「同じな本」とはならない。“特異な言葉”と言ったのはこういう事情からである。
この問題、引き続き考えていく。
(写真はカサ・バトリョ)