日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2017年12月18日) : なぜマスメディアは「首相」を「そうり」と読むのか?<写真 : 冬の「逆さサグラダ・ファミリア」>

バルセロナから(2017年12月18日) : なぜマスメディアは「首相」を「そうり」と読むのか?<写真 : 冬の「逆さサグラダ・ファミリア」>



日本のマスメディアは「首相」という表記を「そうり」と読む。なぜそんなことをするのか?


日本の情報番組を見ていると、MCが拡大された新聞の記事を読み上げる際に「首相」を表記のまま「しゅしょう」と読んで慌てて「そうり」と言い直す場面があった。
やれやれ、と思う。


財務<相>や外務<相>を「ざいむ<しょう>」「がいむ<しょう>」と読むと財務<省>とか外務<省>と紛らわしい。その流れで「首<相>」を「しゅ<しよう>」と読まずに「総理大臣」の略である「総理」を当てて「そうり」と読むようになった。この奇妙な慣習がMCやアナウンサーたちに受け継がれた。
 「首<相>」が「首<省>」に間違えられるはずはないのに。全てを画一化したいのか?ご苦労なことだが、こだわり方に辻褄が合わない。


 「首相」はprime ministerを訳した通称だから「総理(大臣)」と呼ぶべきだ、と言う人もいる。それなら「総理」と書けば良い。「首相」と書いて「そうり」と読む「ソンタク読み」は子供たちや日本語を学ぶ外国人たちにとっても傍(はた)迷惑でしかないだろう。


これはMCやアナウンサーの世界の忖度(そんたく)事情だが、上司から何か言われるのではないかとソンタクしてステレオタイプな仕事をする、無駄に自分の肩を凝らせて仕事をしたと思い込んでしまう現代日本社会の一面がここでも垣間見える。


 今日のバルセロナ散歩では池に映る「逆さサグラダ·ファミリア」を撮ってみた。やっぱり冬の澄み切った空気や水が良い「逆さ」を演出してくれるなあ。

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