日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2017年12月12日) : 日本語はどのように変化していくのか、を考える(その6)相撲協会への「~でも」<写真: スペイン伝統のお菓子トゥロン>

バルセロナから(2017年12月12日) : 日本語はどのように変化していくのか、を考える(その6)相撲協会への「~でも」<写真: スペイン伝統のお菓子トゥロン>


日本相撲協会の危機管理部長が渦中の元横綱親方へ封筒を届けに来た際、「ファックス《でも》よろしいのにわざわざ…」と留守番女性に言われた。


ところが、これを伝えた幾つかの情報TV番組のアナウンサーやMCたちは「ファックス《で》よろしい」と、《でも》を《で》に換えて伝えていた。


《でも》はこの場合「たとえそうであっても」という「譲歩」の意味を持つ。この場面の「ファックス《でも》よろしい」では、「《たとえ》ファックス《という方法であっても》よろしい《ということに変わりはありません》」と述べたのであって、「ファックス《で=という方法を使うことが》よろしい」と言ったわけではない。
《で》と《でも》では伝わる内容が全く異なって来るのである。


 昨今の日本のマスメディアの質が懸念されるのは、日本語の肝とも言うべき「てにをは」の重要ささえも認識していない実情が見えるからである。こうしたマスメディアの日本語に対する不確かな認識は、日本の一般視聴者に誤った情報を伝えてしまい、引いては貧困なる世論を導いてしまう危険性すら孕んでいる。


さて、今日の写真はスペイン伝統のお菓子「トゥロン」(Turrón)。とくにクリスマスに好んで食べられる。ナッツ類を砂糖や蜂蜜、卵白と合わせて固めたお菓子である。味も硬さもいろいろで羊羹(ようかん)のような柔らかいタイプからオコシのような歯応えのあるタイプまで、バラエティに富んでいる。

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