日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2017年12月3日) : 日本語はどのように変化していくのか、を考える(その1) <写真:クリスマス用パン「コカ」>

バルセロナから(2017年12月3日) : 日本語はどのように変化していくのか、を考える(その1) <写真:クリスマス用パン「コカ」>


スペインに住み始めて間もなくの頃だった。マドリードの小さな公園で何気無く地元の母子の会話を聞いていた。できるだけ生のスペイン語に耳を傾けようとしていたのだ。


 小さな女の子が若い母親に何か言って叱られていた。
 「ロンピードじゃなくてロトでしょ!」ときつい口調で叱る母親の言葉が今でもはっきりと私の耳に残っている。女の子は5、6歳だっただろうか。


romper(壊す)というスペイン語は不規則動詞で、過去分詞は「rompidoじゃなくてrotoでしょ!」と幼い娘に教えていたのだが、母親の声は相当大きく、そばで聞いていた私にも慄かせるくらいの迫力があった。娘は規則動詞の活用形を正確に言ったのだから、当時まだスペイン語初歩者だった私より余程マシであったのだが。


マドリードでの記憶は折に触れて私の脳裡に鮮明に蘇ってくる。生業(なりわい)としている日本語について考える時、である。(この稿つづく)


さて、今日の散歩道では、坂道を降りた角のパン屋の店先にカタルーニャ伝統のパン「コカ」が早々と並べられてあった。その楽しく華やかな姿と香りは、来たるクリスマスへのファンタジーをかき立てる。

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