日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2017年11月14日) : スペインに江戸人情の世界を観た

バルセロナから(2017年11月14日) : スペインに江戸人情の世界を観た



 マドリードに住み始めた頃、スペインはまさに日本の江戸人情の世界だ、という印象を持った。


人情と言えば日本人の専売特許のように思う人がいるかも知れないが、当然ながら、どこの国にも人情はある。しかも、どの国の人も人情は自分の国が一番、と思っているようだ。
 日本では義理と人情をワンセットにして言う人が多いが、そもそも義理と人情は相容れぬものだろう。


 長谷川伸の戯曲の主人公である沓掛時次郎は、一宿一飯の恩義のある人への義理立てで、自分には何の恨みもない人を殺めてしまった。


この義理に人情が入る余地は無い。義理は無法を正当化するヤクザの世界にこそ似合うのだが、今日の社会にこの悪しき伝統が未だに幅を利かせている気がする。
とにかく、この悪しき義理ではなく良き江戸人情の世界を、私はマドリードそしてスペインに観たのである。


フィエスタでスペイン各地のワインを飲み歩きながら、29年前も今日も、この地の人々の厚い人情に触れる。

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