日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2017年11月25日) : 「を」が「ウォ」と先祖返りする歴史的転換期なのか

バルセロナから(2017年11月25日) : 「を」が「ウォ」と先祖返りする歴史的転換期なのか



俳句のTV番組を楽しみに見ている。
ところが、その番組で添削や講評をしている先生が「を」を明らかに「ウォ」と発音している。日本語について専門家と言っていい立場で、しかもテレビに出て影響力もあるのに、周りに誰か注意してくれる人はいないのかなあ、と番組で彼女が「ウォ」と吠える?度に感じていた。


もしやと思って調べてみると、彼女は愛媛県出身だった。
 「を」を「ウォ」と発音する地方は九州と長野のごく一部だけのはずだが愛媛県の教育現場ではかなり前から、「を」は「ウォ」と発音する、と教えているらしい。


10世紀以前には「お」は「オ」、「を」は「ウォ」と発音されていた。11世紀以降はどちらも「ウォ」になった。そして江戸時代には「お」「を」のどちらも「オ」と発音されるようになり今日に至っている、はずである。


が、初めに触れたようなことも含めて、「を」の発音は今また先祖返りする要因が幾つも現れて来ている。言わば「を」は現在その歴史的変換期ウォ(!)迎えているのかも知れない。


さて今日のバルセロナ散歩で通りかかった八百屋では、18世紀に日本からヨーロッパに伝えられたKaki(柿)が店先の中央に陣取って得意げな顔をしていた。あんたが大将の季節には違いない。

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