バルセロナから(2018年11月8、9日) : 「4分」が「よんぷん(Pun)」と誤読されているのはなぜか?
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バルセロナから(2018年11月8、9日) : 「4分」が「よんぷん(Pun)」と誤読されているのはなぜか?
日本語初歩クラスで、時間の「ふん/ぷん」を教える。「4分」は「よんふん(4 Fun)」なのか「よんぷん(4 Pun)」なのか。
日本語の学生には「日本の数字」の授業で確認した「さん百(3 Byaku)/よん百(4 Hyaku)」を思い出してもらう。
「3分」の「3」の発音は古代中国の数字の発音を強く受けた「いち、に、さん、し」の「さん」であるから、「さん」の「唇を強く閉じた《ん》」によって次に続く「ふ」がP音の「ぷ」になることは理に適っている。
一方、「4分」の4の発音は、和語の数字「ひい・ふう・みい・よう」の「よう」から来た「よん」であるから、この「唇を合わせないN」のあとの「F」となり、「よんふん(4 Fun)」が論理的には理に適っている。
だが実際は「よんぷん(4 Pun)」がまかり通っている。
「さん本(3 Bon)/よん本(4 Hon)」「さん匹(3 Biku)/よん匹(4 Hiki)」「さん杯(3 Bai)/よん杯(4 Hai)」
からすると、助数詞が本来持っている内的法則は「さんぷん(3 Pun)/よんふん(4 Fun)」に軍配が挙がるはず。
しかし、日本語クラスの現場では使用例の多い「よんぷん(4 Pun)」 も良しとすることになる。
時間の「分」は日常的に子供も使うから「さんぷん(3 Pun)」に引かれて「よんぷん(4 Pun)」と誤用する機会が多い。これが「よんぷん(4 Pun)」が広く流布されている原因らしい。
言語は時代の必要性によって変化していくものだが、単なる間違いからの変化は、「言語の自律性」から言っても、できるだけ避けたいものだ。
日本の国語教育が言語としての日本語教育を怠って来たこととも無関係ではないだろう。
写真は、馴染みのオジサンと。
日本語の授業を終えて、バルセロナの粋な小径、通称「チョコレート通り」に今日も立つオジサンに挨拶。
「オジサン、元気でやっている?」「まあね」「マフラーの季節になってきたね」「あんたも、マフラーしたら?もう若くないんだから」「じつは内ポケットに…」「ほ~ら、ね」
オジサンとの何気ない会話で心もホッコリ。