日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2018年11月20、21日) : 「母(ha ha)」の発音はかつて「パパ(pa pa )」だった!?

#スペイン #バルセロナ #Japonés #母の発音 #Gigantes


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バルセロナから(2018年11月20、21日) : 「母(ha ha)」の発音はかつて「パパ(pa pa )」だった!?


日本語について「なぞなぞ君」と「ふしぎ君」が話している。


《なぞなぞ君》:「母には二たびあひたれど 父には一度もあはず」


これは室町時代の『後奈良院御撰何曾』という書物に書かれていた謎々だけど、分かる?


《ふしぎ君》:「母には二度会ったけれど、父には一度も会わない」ものなあーんだ、ということか…。このままじゃ全く見当が付かないなあ。何かヒントはないの?


《なぞなぞ君》:じゃ、ひとつだけヒントを言うと、これは日本語の発音に関しての謎々だよ。


《ふしぎ君》:発音か。「ハハ」には二度会ったけれど「チチ」には一度も会わないもの、とは何か、だね。


「ハハ」「チチ」……両方とも同音が二度繰り返されているけれど、「ハハだけ二度会う」とはどういうことか、さっぱり分からない。


《なぞなぞ君》;最初に言ってあるけど、この書物が書かれたのが室町時代だ、というのを思い出して欲しい。さらに言うと、室町時代の「母」の発音がこの謎々を解くカギになるよ


《ふしぎ君》:「ハハ」じゃないの?じゃ「ママ」か。そんなわけないよね。(笑)


《なぞなぞ君》:(真顔で)いや、それは近いね。って言うのは、「母」の発音は奈良時代以前は「パパ」だった、という可能性が」高い。今のハ行の子音は、少なくとも上古の時代には [p] 音であったという説が有力なんだ。


これにはちゃんと根拠があるのさ。「ハ」の万葉仮名「波」や「播」の漢字音を調べると、上古音(周~秦代)はpuar、中古音(隋・唐代)はpuaで、ともにp音で始まっているし、琉球語の中の先島方言などで「花」を[pana]などと言うのはこの音が遺るものだと唱える学者もいるんだ。


《ふしぎ君》:「母」が以前は「パパ」か。なんか込み入った事情がありそうだね。


(*次回はもう一歩踏み込んだ会話になりそう。)

………………………

今日の写真は、巨大人形「ヒガンテス」(Los Gigantes)と。

地域のフェリアで登場した人形はバルセロナの祭りで子供たちの大ヒーロー「ヒガンテス」だが、中に入っていた人形師も、たまには一服しなきゃ。

子供たちは人形の骨組みを見て、不思議そうに覗き込む。

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