日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2018年10月18、19日) : 「焼く・焼ける」「砕ける・砕く」のグループの奇妙な共通点

#スペイン #バルセロナ #日本語 # 自動詞・他動詞の型#言語交換


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バルセロナから(2018年10月18、19日) : 「焼く・焼ける」「砕ける・砕く」のグループの奇妙な共通点


「自動詞・他動詞」がペアの形を持つ「有対(ゆうつい)動詞」は、大きく次の4つ分けられる。


(1)《他》動詞が「-す(せる)」の型: 例「合う・合わす」「似る・似 せる」など


(2)《自》動詞が「-aる」の型:例「上がる・上げる」「預かる・預ける」など


(3)《自》動詞が「-れる」の型:例「生まれる・生む」「売れる・売る」など


(4)《他》動詞が「-eる」の型:「開(あ)く・開ける」「続く・続ける」など


ところが、この4分類に収まらない例外がある。

(4)の他動詞が「-eる」の型のグループとは逆に「-eる」が自動詞になる動詞のペアが幾つか見出されるのだ。


その一例が以前紹介した、見習い板前の話に出てきた「焼ける・焼く」である。 「焼ける・焼く」のように「-eる」が自動詞になる動詞のペアは全て「-ける(げる)・-く(ぐ)」の形に限られる。


この型を持つ有対動詞は、私が実際に採録総語数約58,600語の『岩波国語辞典』をつぶさに当たったところ、次の16組を拾い上げることができた。


1「欠ける・欠く」、2「砕ける・砕く」、3「裂ける・裂く」、4「削(そ)げる・削ぐ」、5「焚(た)ける・焚く」、6「解ける・解く」、7「砥(と)げる・砥ぐ」、8「抜ける・抜く」、9「脱げる・脱ぐ」、10「剥(は)げる・剥ぐ」、11「弾ける・弾く」、12「引ける・引く」、13「ほどける・ほどく」、14「剥(む)ける・剥く」、15「もげる・もぐ」、16「焼ける・焼く」


さて、以上のリストを観ると、「焼ける・焼く」のように「-ける(げる)・-く(ぐ)」が「《自》動詞・《他》動詞」の順になる型のグループの動詞には、じつは「対象を欠損させる」意味が存在している、という奇妙な共通点があることに気付く。*


この現象は、どうして起こるのだろうか。次回は、それを考えてみたい。


(*私はカナダ日本語教育振興会2004年度年次大会にて発表済み)


写真は、バルセロナでの言語交換の集まりで。カメラマンの指示に従ったら、こんなポーズで写ってしまった。

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