バルセロナから(2018年10月12、13日) :「ドアが【開】きますので、ご注意願います」の真実
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バルセロナから(2018年10月12、13日) :「ドアが【開き】ますので、ご注意願います」の真実
日本の電車に乗っていると、 「ドアが【開(あ)き】ますので、ご注意願います」
というアナウンスが車内に流される。こういう場合は日本語の【自】動詞「開く」の専売特許だ。
「私が開けるんじゃないですよ。いや、誰が開けるんでもないです。ドアが開くんです。もし寄りかかっていたドアが開いて外に落ちても、私や誰かのせいじゃないですよ。だから、くれぐれも気をつけてくださいね」
意地悪く聞くと、こんなふうにも受け取れる。
これとは、逆のケースもある。
見習い板前と料理長の厨房でのやりとり。
店員 : すみません、魚【が】【焼け】すぎました。
店主 : 魚が焼けすぎた?魚が好き好んで自分から焼けすぎるものか。
店員 : すみません・・・魚【を】【焼き】すぎてしまいました。
この場合は【他】動詞「焼く」を使って「魚が焦げた責任が自分にある」ことを明確に表現しなければ、見習い板前は料理長のご機嫌をますます損なうことになる。
このように自動詞・他動詞の使い分け一つで、話し手の置かれる状況が危うくもなり、責任の外に身を置くことも可能になる。
次回は、日本語の動詞の自他が英文法のそれとは発想から違っている、ことに触れてみたい。
写真は、揚げ立てのチュロス(Churros)。スペイン伝統の揚げ菓子である。やっぱり、熱々のホットチョコ(chocolate caliente)に浸して食べるのがベスト。
慌てて口に入れて火傷しても自己責任だよ。