日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2018年6月2日) : アジアの中の日本

バルセロナから(2018年6月2日) : アジアの中の日本


バルセロナの街を歩いていると、時折り「您好」とか「ジャッキーチェン」とか、声を掛けられる。


最近は滅法少なくなったが中国人と見てからかうのである。


あるいは悪気は無いのかもしれないが、全く見知らぬ外国人に用事もないのに気楽に声を掛けてみる対象にアジアの同胞である中国人はなっていることは確かだろう。


先日、私を中国人と見間違えて「ニーハオ」と声を掛けて来た者がいた。私が無視して行き過ぎようとすると、突然腕を掴んで来て更に「ニーハオ」を繰り返した。


流石に私も声の主の顔をまじまじと見つめた。よく居る人の良さそうな中年の男である。


彼は「中国人だろ」と不思議そうな顔を向けて来た。私は首を横に振り、もう一度彼の顔をまじまじと見た。哀れみを込めて。アジア顔を見ればすべて「チノ」(中国人)だと思う、その無知振りと、声を掛けてしまう軽率さ、への哀れみである。


腕まで掴まれた私は、このままでは相手を帰さない。職業上、教師グセが出てしまう。

彼がいかに愚かな行動を採ったかをコンコンと説く、説教グセである。


相手が悪かった、と見たか、思い掛けなく路上で説教を受けた彼はまず驚いたが、やがて私が日本人だと知り自分の軽率な行動を恥じ入り、別れる際は、ひたすら手を合わせ何度も頭を下げていた。


私は、自分の教師グセもなかなか抜けないものだなあ、と苦笑いしながら振り向き、遠くでまだ手を合わせている彼に手を振った。


写真は今日の日本語と書道のイベントでの最後の仕上げ。参加者自身の日本語名を筆でしたためる。左の作品はアメリカ人名、右はスペイン人名。

さて、元の名前がお分かりなるだろうか。

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