日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2018年3月20日) : 「スペイン語はいかが」(13)「お前の母さん出~べ~そ」はスペイン語ではキツイぞ

バルセロナから(2018年3月20日) : 「スペイン語はいかが」(13)「お前の母さん出~べ~そ」はスペイン語ではキツイぞ


卑語の中には相手を侮辱する言葉があるけど、この侮蔑語がスペイン語にはホント多いんだ。これも中南米よりスペインのほうが圧倒的に耳にする。


スペイン語のこうした汚い言葉を、日本語では何と言うのか、とよくスペイン人に訊かれたが、日本語にはそれらの汚い言葉に相当する表現が見つからないことのほうが多い。


例えば、

"Hijo de puta"(イホ デ プータ)という表現は日本では考えられないくらいキツイ侮蔑語だ。その意味は「puta(売春婦prostituta)のhijo(息子)」。 相手の母親を侮辱する表現としては、日本ではせいぜい子供の喧嘩に出てくる「お前の母さん出~べ~そ」ぐらいなもので、スペイン語表現と比べると可愛いものだ。

あまりにキツイ表現なので、たいていは

“Hijo de...”で止めることが多い。


ちなみに、アニメ映画「天空の城ラピュタ」は海外でもよく知られているけど、スペイン語のタイトル名は"El castillo en el cielo"(エる カスティジョ エン エる しエろ)となっていて「ラピュタ」の部分が削除されている。


英語でも "Castle in the Sky"となっていて、やはり削除されている。これは"Laputa"が"La puta"「売春婦」(Laは女性名詞の定冠詞)を連想させるからなんだ。


女性に対する侮蔑語putaに対して男性に対してはcabrón(カブロン)がある。これは「まぬけ。気ちがい」から「この野郎。畜生」まで幅広い使い方がある。


この単語自体の意味は「雄ヤギ」だが、侮蔑語としては「妻を寝取られた男」の意味から使われる。どうもcabra(カブラ / 雌ヤギ)に浮気されてしまう習性から雄ヤギcabrónが侮蔑語になったようだ。


他にも "mierda"(ミエルダ /くそ!) "joder"(ホデール /「ああ、ちぇっ」などの驚き・怒りを表す。


もともと「性交」の意味だが、女性でも多少可愛らしく? "jolin"(ホりン)と変形させて間投詞のように使うから聞くほうがギクッとする)

など、スペイン語では枚挙に遑がないくらい汚い言葉が普通の日常会話で使われているので、避けて通るわけにはいかないけど、日本のスペイン語教室ではまず教えにくいだろう。


その結果、知らないで渡西して恥をかいたりショックを受けたりすることも多いわけだ。


そんなわけで卑語について少し触れておいたけど、あまり汚い言葉を一挙に紹介しても辟易するだろうから、今回はこのへんにしておこう。

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