日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2018年3月13日) : 「スペイン語はいかが」(6)親を「トゥ」(きみ?)と呼ぶ

バルセロナから(2018年3月13日) : 「スペイン語はいかが」(6)親を「トゥ」(きみ?)と呼ぶ


前章でスペイン語の第一人称について話したね。

この際だからスペイン語の人称をざっと見ておこう。スペイン語には二人称に敬称と親称がある。まず、相手が一人の場合、

敬称usted(ウステ。語末のdは発音しない / あなた)


親称tú(トゥ。úにアクセント記号が付く / きみ、おまえ)


要するに相手との関係で、敬して遠ざけるのが適切だ、と感じたらustedを、逆に相手との関係が近くて、親しい気持ちを表せると思ったらtúを使えばいい。

日本の敬語のように上下関係ではなく、あくまでも心理的な親疎の判断で使い分けるのがミソだ。


たとえば、親や学校の先生に対して、子供たちはtúで呼ぶのがふつうだ。そうなると、túが日本語の「きみ」や「おまえ」と同じではないことが分かるよね。

なお、tuのようにアクセント記号がついていなければ、「きみの、おまえの」のように所有格の意味になるから気をつけよう。


ただし、中南米では丁寧な言葉づかいが習慣になっているから、注意が必要だ。これには、中南米がスペインなどに支配されてきた歴史が関係しているのだろう。

被征服者であった中南米の人々がラフな言葉づかいを使えなかった状況が、習慣として今日まで残っているのかもしれない。


ちなみに、スペイン人

¿ Cómo ?(コモ。えっ、何て言ったの?)

をメキシコ人は

¿ Mande ?(マンデ。尻上がりに言う / 何とおっしゃいましたか?←何と命令mandar なされたのですか?)

と言う。


我々第三者には、なにか悲しい歴史が思いやられるが、現在のメキシコではそんなに深い意味は無く単なる会話表現として使われているに過ぎない。


相手が複数の場合は、

ustedes(ウステデス / あなたがた)

vosotros(ボソトゥロス。一人でも男子が入っている集団に使う。女子だけの集団にはvosotrasを使う。vはbの発音 / 君たち。お前たち)


これも、敬して遠ざける関係の場合は尊称のustedesを、親しさを前面に出してもいい関係と思ったらvosotros(-as)を使えばいい。ただし、中南米ではvosotros(-as)はないので、相手が複数の場合は親疎に関わらずustedesを使う。


したがって、中南米ではvosotrosの場合の動詞の活用がないから、メキシコでのスペイン語授業では動詞活用表の一列まるまる抜けていて、なんだか得をしたような気がしたものだ。でも親しい年少者たちにustedesと言うのは、どうも水臭い感じがしないでもない。


さて、ここまで知ったら、第三人称を知りたくなるのが人情だ。

一人の場合は、

él(エる / 彼)ella(エジャ/ 彼女)


élのようにアクセント記号があるのは、男性名詞の前に付く定冠詞elと区別するためだ。


複数の場合は、

ellos(エジョス / 彼ら) ellas(エジャス / 彼女たち)

のようになる。この場合も「私たち」nosotros(-as),「君たち、お前たち」 vosotros(-as)と同じように、一人でも男性が入っていれば、ellosを使う。


これで、第一人称、二人称、三人称、の人称代名詞を覚えたことになる。なんとなく、よしよし、分かってきたぞ、と言うところだね。

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