日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2018年3月11日) : 「スペイン語はいかが」(4) 「¡ ケ ・グアパ !」 なんて美人なんだ!

バルセロナから(2018年3月11日) : 「スペイン語はいかが」(4) 「¡ ケ ・グアパ !」 なんて美人なんだ!


アメリカ合衆国の地名にはスペイン語起源やスペイン語そのままが使われていることが多い。


たとえば、

<Los Ángeles>(ろス アンヘれス。ge は「ヘ」と発音する):

アメリカ合衆国(USA)はスペイン語ではEstados Unidos(エスタドス ウニドス。省略形はEE. UU.と書く)の地名ロサンゼルスだが、意味は「天使たち」。


Los Ángeles のlosはel(英語のthe)の男性複数形。ちなみに、不特定の一人の天使だと

un ángel(ウン アンヘる)。つまりunは英語のaだ。不特定の何人かいると

unos ángeles(ウノス アンヘれス)となる。


ついでに数字の1から10まで、ここで覚えてしまおう。

1unoウノ, 2dosドス、3tresトゥレス、4cuatroクアトロ、5cincoしンコ、6seisセイス、7sieteシエテ、8ochoオチョ、9 nueveヌエベ、10diezディエす

それから0はceroせロ。


第(3)章のレッスンで気付いたと思うが、unoは、単数男性名詞の前に付くときはun ángelのようにunとなり、単数女性名詞の前に付く時はuna(ウナ)となる。


スペインに到着して間もないある日、小さい女の子がuna, dos、tres と数えているのを見ると、それはリンゴmanzana(マンさナ)で、ちゃんと女性名詞の数え方をしていて、感心したものだ。


<Las Vegas>(らス ベガス。vはbの発音):

アメリカ合衆国の地名ラスベガスだが、もともとは「肥沃な土地」を意味。lasはlosの女性形。単数形はla。


気象ニュースなどで聞くLa Niña(ら ニーニャ。ñaはニャと発音。ña, ñi, ñu, ñe, ñoがある)は「ラ・ニーニャ現象」だが、

la niñaと小文字にすれば 「女の子」。


La Niñaと反対の現象は、

El Niño(エる ニーニョ)「エル・ニーニョ現象」

で、こちらのほうがよく耳にするだろう。ペルー沖での海水温の上昇を指していて、この影響で広範囲な異常気象が起こり、日本の気象予報にも登場するようになったわけだ。ちょうどクリスマスの頃に起こるので「幼子イエス・キリスト」の意味で使われたのがもともと。逆に海水温の低下現象をLa Niñaと呼ぶようになった。


El Niñoをel niñoと小文字にすれば当然、普通の「男の子」を意味する。


スペインでは女の子は生まれてすぐピアスをつけるので、近所の人が赤ちゃんを褒めるのに、

"¡ Qué guapa !"(ケ グアパ / なんて美人なんだ!)とすぐ言える。もちろん男の子なら

"¡ Qué guapo !"(なんてイケメンなんだ!)だね。日本では赤ちゃんにはまず言わないけど、スペインでは犬にでも言う。犬などは性別が分かりにくいから、分からない時は男性形容詞guapoで代表させることができる。


気がついたと思うけど、スペイン語では感嘆符つまりビックリマークは文の初めに逆さの「¡」、そして文の最後には我々の知っている「!」の両方を同時に使うんだ。どうだ、カッコイイだろ。もちろん疑問符も同様だ。「¿」「?」の両方だよ。


ちなみに、日本で言う「かわいい!」に当たるスペイン語は、mono(-a)だけど、これは名詞の意味が「猿」だから、そっちのイメージが強くなる。

そこで、bonito(-a)なら、人から景色まで、広く「きれいだ」「かわいい」に使えるから、便利だ。


イエス・キリストの話のついでに。スペインでは、クリスマスNavidad(ナビダー。語末のdは発音しない。マドリードMadrid も実はマドリー)

よりも1月6日の

Los Reyes Magos (ろス レジェス マゴス。語頭のRは巻き舌。yeはジェと発音/ 東方の三博士)の日(公現祭。イエスの誕生を知り、東方から三人の賢人が祝福にやって来た、という新約聖書の記述から)

のほうが盛大で、クリスマス前後から新年、そしてこの日まで、お祭りが続くわけである。

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