日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2018年2月11日) : 「サグラダ・ファミリア異聞」(16)"太刀" 対 "竹刀"

バルセロナから(2018年2月11日) : 「サグラダ・ファミリア異聞」(16)"太刀" 対 "竹刀" 

                                                   
  間髪を置かず、サムライは右手を伸ばし、ひらりと跳んだ。そのまま太い枝に手を掛けエビ反りになったかと思うと、次の瞬間、黒装束の男のすぐ前の枝に飛び移った。


 男は中央の幹の股に体を支えていたが、とっさに背中の太刀(たち)を抜こうとして右手で柄に手を掛けた。が、竹刀(しない)が唸るのが早かった。サムライの左手から撃ち込まれた竹刀の先が、肩越しに上げた黒装束の右肘を痛打した。男は動揺を隠せず、ちらと下に目を遣って、すっと姿を消した。


木の根元に跳び下りた男は、たまらず「うう…」と呻き声を挙げて膝を抱えた。先ほどサムライの放った両膝への礫が効いていたのだ。男は、覆面の顔を僅かに上げ、木上のサムライの姿を確認すると、懐から何かを掴み投げつけた。それは、よけたサムライの足元で「ボムッ」と鈍く破裂し、一面に煙幕を張った。


ようやく暗闇に目が慣れていたサムライだったが、霧状の煙が男の姿を隠し、目にも刺激物が入り込んできた。彼は”針のように”眼を細め、下の黒装束を目指してムササビのごとく跳び掛かった。竹刀はすでに右手に持ち替えていた。

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