日本語教育・日本語そして日本についても考えてみたい(その2)

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バルセロナから(2018年11月16、17日) : 栄子(Eiko)と一郎(Ichirô)のパスポート表記

#スペイン #バルセロナ #Japonés #ローマ字 #水飲み場


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バルセロナから(2018年11月16、17日) : 栄子(Eiko)と一郎(Ichirô)のパスポート表記


では、日本のローマ字表記ではどうなっているか。

文科省の「ローマ字のつづり方」(内閣告示第一号)では長音については、

「そえがき 4 長音は母音字の上に「^」をつけて表わす。なお、大文字の場合は母音字を並べてもよい。」

としか記されていない。


これは「ローマ字のつづり方」は「現代仮名遣い」に準じていることを示している。

つまり、「エ列+い」に関しては「エ列の長音」ではなく「e+イ」と表記する、ということになる。


したがって、「とけい」は「tokei」,「e列+い」は「-ei」と表記することになる。パスポートの表記も、「栄子」さんは長音符号「^」を使った「Êko」(エーコ)からの「Eko」ではなく「Eiko」(エイコ)となるのである。

因みに、「一郎」さんは「Ichirô」から「^」を取った「Ichiro」と表示される。


現行のローマ字表記の規定から見ても、「エ列+い」は「エ列の長音」とは見なされず「エ列+イ」として認識されていることがわかる。


つまり「えい」の発音はそのまま「エイ」であると認識されているわけである。


この理由は,日本語の「えい」の 発音は普段は「エー」に 近い 発音をしているように聞こえることがあるが、本当は意識的にせよ無意識的にせよ「エイ」と認識されていることの証左になるのである。


国語審議会には「国語教育」や「日本語教育」の教材市場で先行解釈した勇み足の教材が出回っている現状を把握し、早急にこの問題を日本語の重要な問題として再審議していただきたい。

(*この数回に及んだ「eの長音」についての小文の内容は文化庁長官官房政策課に参考意見として提出してある。)


写真は、バルセロナの水飲み場(La fuente)の一つ。甲冑姿のようなレリーフが印象的だが、ヘラクレスをモチーフとしたもの。ランブラス通りから旧市街へ抜ける小径の入口にある。

夏の暑さに行き倒れになる旅人たちを救うためにスペインのあちこちにこうした水飲み場が作られて来た。

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